物忘れ対策は高齢者自身と家族のテーマ
物忘れ対策は高齢者自身が気付いた時に始めたい
気づいても最初は対策まで考えなかった
若くても、何かを取りに隣の部屋へ行って、途中で他のことに気をとられて、目的を果たさず手ぶらで戻ってきちゃった、なんてことはありますよね。
そんな時は、「あら、(´・д・`)ヤダ」なんて照れ笑いですみます。
これを物忘れの症状だと言って心配する人はいないでしょう。
テストの前にしつこく暗記した単語が、答案用紙を前にして、出てこなかったらどうですか?
やはり、物忘れの症状だと心配する人はいません。心配は別のところですよね(笑)
あなたが最初に物忘れを意識したのは、どんな時でしたか?
私は、話をしている途中で、人の名前が出てこなくなった時です。
顔も知っているのに、名前だけが出てきません。
もどかしい!!
こんなことがしょっちゅう起きるようになってくると、照れ笑いではすまなくなってきます。
物忘れがでてきたなと気づいた時は、ちょっとしたショックです。
ああ、年をとったのだなあ、と。
それでも、年をとれば仕方ないさ、と半ばあきらめ気分で、あまり心配はしませんでした。
ところが、心配になることが起きたのです。
ショックな実例を見て、初めて自覚が生まれた
ショックでした!!
認知症が私のイトコに始まったのです。
母方の親しくしているイトコで、私よりは大分年上ではあるのですが、遺伝的にも私の未来の姿である可能性は高いです。
私を別のイトコの名前で呼びます。
自分の息子を、自分の弟の名で呼びます。
自分の娘を、自分の姉の名で呼びます。
呼ばれた名前の三人は、もうみんな亡くなっています。
同じことをすぐ繰り返して尋ねます。
トイレの場所が分からないときがあります。
でも、電話をして私の名前を告げると、ちゃんと分かって、「この間はありがとうね」と普通に会話ができたりします。
認知症としてはまだ軽い方かもしれません。
いわゆる「マダラ」症状です。
これからどんな症状をたどっていくのだろうと思うと心配です。
子供のころから可愛がってもらったことを色々思い出しますが、彼女は忘れるのでしょうか💦
調べたところ、認知症は発症してから平均約8年患って亡くなるとありました。
だんだん肉体の機能も失われ、最後は寝たきりになるそうです。
発症って、いつからと考えればいいのでしょうか。
エイジングに伴う物忘れと、機能障害とも言える認知症は、どう違うのでしょうか。
それは、はじめから違う症状で、見分けがつくのでしょうか。
物忘れ症状と認知症の症状との見分け方
調べてみて分かった症状の違いを整理してみます。
認知症の症状
☆体験を丸ごと覚えていない。
例:食事をした事実を覚えていない。
約束した事実を覚えていない。
☆時間や空間の関係が混乱する。
例:今日が何日か分からない。
今どこに居るのか分からない。
イトコの例では、トイレの場所が分からなかった。
また、亡くなった人(過去)と目の前の人が混乱している。
☆自分が覚えていないという事実を認識できない。
例:自分が忘れたことを指摘されても認められず、相手を責めたり、他人のせいにする。
エイジングによる物忘れの症状
☆体験の一部を忘れる。
例:食事の内容を忘れる。
約束の時間を忘れる。
☆時間、空間の混乱はない。
例:道に迷ったり、時間を間違えても、その事実が理解できる。
☆自分が忘れてしまったことは認識できる。
例:忘れそうなことはメモする。
認知症の場合はメモしたことを覚えていない。
物忘れの初期症状で認知症かどうか見分けられるか
結論から言うと、日常生活で物忘れが出てきた段階では見分けはつかないようです。
但し、物忘れにも程度があって、普通の物忘れにしては重い、「軽度認知障害(MCI)」というのがあります。
普通の物忘れの人がアルツハイマー型認知症を発症する率が1~2%なのに対し、「軽度認知障害」の場合は10~15%の確率と言われています。
やはり、認知症の前兆としての物忘れは、普通の物忘れとは深刻さが違うようですが、特に初期には素人目にはなかなか分からないでしょう。
物忘れが気になり出して心配なら、外来診断を受けることをおすすめします。
これは、本人ではなくて家族が気になる場合にはなおさらですね。
発症してからでは本人は気づきようがありません。
いつも家族や仲間と交流があれば、周囲の人が気付いてくれる場合もありますが、普段あまり他人と接する機会がない場合は、自宅でチェックできる方法があるといいですよね。
最近は診断チェック用の問診表などが出回っています。
ここに、簡単にできるチェック問診を、紹介します。
3問以上間違えてしまったら、受診してみてください。安心のためにも、早期ケアで改善のためにも。
物忘れ症状の簡単チェックテスト
物忘れ症状にケア効果はあるのか
物忘れは、他の体の衰え同様、脳の機能の衰えです。
エイジングケアの一環として適切なケアには効果があります。
肉体は永遠ではありません。
その意味では、いずれ枯れていくことを止めることはできませんが、できるだけゆっくり、穏やかに、家族や社会の一員として1日でも長く幸せに過ごすためのケアは、本人だけでなく周囲の人のためにも必要です。
さらに言うと、このケアは、生きてる私たち全員が避けることのできない自分の問題なのです。
必要性の実感が、今か未来かの違いがあるだけです。
物忘れ症状のケア
普段から、食事や運動に気をつけ、生活習慣に気をつけることは大事です。
それでも、肉体の経年劣化はやむを得ないことでもあります。
その劣化が、いつ、どこから始まるかは個人差がありますよね。
物忘れという形で脳に劣化現象が現れてしまったら、生活習慣全体の見直しをしているのでは、追いつきません。
足りない養分を食べ物で補うのも無理です。
症状に特化した外からのケア、治療や薬が必要です。
物忘れの不安を感じたときのケア
不安を感じた段階なら、食事や運動に気を付けるほかに、脳に栄養を送ったり、血流をよくするサプリも採るといいでしょう。
いろいろありますが、余り安いものも、特殊な成分を売りにして高すぎるものも気を付けた方がいいです。
即効性を謳っているものも危険です。
実証例が十分にあって、根拠のしっかりしているもの、天然の成分から採ったものがおすすめです。
副作用や薬などとの重複で心配ないかどうか、確認してください。
物忘れ症状が出てからのケア
病院に行くのが一番確実です。
最近は「物忘れ外来」がたくさんできていて、とりあえず診断してもらうことができます。
ネットで「物忘れ外来、都市名」などで検索してください。
近くに見つかったら、評判などもチェックできると安心です。
電話やメールで予約できれば、しておきましょう。
本人はとても不安です。
診察を拒否することもよくあります。
そんな時には、認知症の検査だと言うのではなく、「元気でいられるように健康診断を受けておこうね」、と安心させてあげてください。