記憶 高齢者

思い出す方法を探してー記憶のキーワード見つけた!

投稿日:2018年11月20日 更新日:

思い出す方法を体験から探してみる

幼なじみと半世紀ぶりに再会しました。

懐かしそうに笑顔で立っている友人を前に、一拍おいて、私も笑顔になり、名前を呼び合い、ハグしました。

 

彼女はとても若いころに結婚と同時にアメリカに渡り、そのままずっとハワイ暮らし。

私たちはその間、一度も会わず長く音信も途絶えがちでした。

 

感動の再会の光景です。

 

笑顔になるまでの一拍の間、私は何をやっていたのでしょうか。

 

思い出すまでやっていたのは

幼いころと同じに呼びかけられてから、私が笑顔になれるまでの一拍の間私の目は、前に立つ友人の全体象から、顔へ、顔の中の見覚えのある一点を探してさ迷っていたのです。

 

そして、見覚えのある口元を認めるや、幼いころの呼びかけが私の口をついて飛び出しました。

 

思い出すということは、言葉を替えれば、脳内で記憶がよみがえること、記憶が再生された状態です。

 

この再開の場面では、ほんの一拍の間に私の記憶の引き出しが的確に必要な部分を再生したことになります。

これはすごいことだと思いますが、実は、再会が決まってから数日、色々な出来事を思い出して家人に語ったり、古いアルバムで確認したリと記憶再生の準備をかなりしていました。

 

そして当日、いよいよの瞬間がやってきました。

私は、たくさんの期待と、「分かるかな・・?」という少しの不安を胸に、改札口で待っていたのです。

 

多分、友人の方でも大同小異の心の準備があったはずです。

そして、改札口に向かって歩きながら、友人の方が先に、前方に立つ人々の中から私らしい姿を認めて、記憶の印を探し始めたのではないかと思います。

 

半世紀の時間による変化は大きかった。

約束をしていなかったらお互いにすれ違っても気づかずに通り過ぎてしまったのではないでしょうか。

 

あるいは、マスクをかけていたりして、見覚えのある口元が見えなかったら・・・

 

私の記憶は、再生スイッチを押されることなく引き出しの中に眠り続けたことでしょう。

 

思い出すにはヒントが必要

脳の中の引き出しに入った記憶とは、DVDの中の画像状態なのですね。

画像を見るためにはスイッチオンが必要なのと同じに、記憶を再生するには新しい刺激が必要です。

 

今回の私の場合は、「見慣れた口元」でしたが、いつも、視覚的な刺激とは限りません。

季節を告げる花の匂い、青春時代に胸を締め付けられた音楽、炎天下で木陰に入った時に腕を撫でる風の感触のこともあります。

 

さらに、DVD再生には電流が必要なように、記憶の再生にも準備や期待があった方がスムーズにいきます。

無理やり何かを思い出そうとするときは、この準備を強引にやっているわけですね。

 

そして、この強引な準備が、どうしても効果を発揮しない時があります。

いくら思い出そうとしても、というか、思い出そうとすればするほど、どうしてもだめな時があります。

年齢と共に、こういうことが多くなってきますが、こんな時、頭の中で何がおきているのでしょうか。

 

どうしても思い出せないとき

思い出せる時と、思い出せないときの違いは?

これを脳の働きで比べてみます。

 

思い出せるとき

記憶が再生される時は、記憶が刻まれている脳の部分が記憶した時と同じ興奮状態になっているんだそうです。

そうすると刻まれた記憶と同じ出来事が、そこで再現されるのです。

※参考資料:東京大学大学院薬学研究学科 

 

記憶の再生は(記憶の定着も)、「神経細胞同士の信号伝達が持続してどんどん強くなる」という生き生きした反応がないと起こらないのです。

 

記憶のキーワードは、「生き生きした反応」!

年をとると、物忘れがおきるということは常識になっていますが、

この原因は、年をとると脳が、生き生きした反応をしなくなるということだったのです。

子供のころ、ワクワクドキドキ体験のときは、生き生きした反応が心臓や全身に現れましたよね。

あの時は、脳でも生き生きした反応が起きていたんですね。

 

大人になるにつれ、こういう体験は減っていきました。

世の中に慣れたせいでもあります。

 

でも、好奇心を失わないで!

 

脳の老化対策

脳だって体の一部です。

足腰が弱るように、筋肉が硬くなるように、脳の働きも衰えるでしょう。

 

記憶や記憶再生に必要な刺激も、よほど強烈でないと脳の刺激にまではならないかもしれません。

関節や筋肉が簡単に動かなくなるみたいにね💦

 

体の老化が先か、脳やココロの老化が先か、元は一つなので何が原因かとなると、ニワトリとタマゴとおなじドウドウメグリになります。

 

先に、体が参るか、心が参るか、これは個人によって違います。

どれかがダメになったと感じたら、それがケアを始める合図と考えて対処していくことが大事ではないでしょうか。

 

どうすればいいか分かっているなら、頑張ってやってみましょう!

分からなかったら、身近な人に相談しましょう!

 

相談できる人がいなくても大丈夫。

あなたの近くで相談に乗ってくれる病院や施設を検索できます。

 

 

 

 

 

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