認知症 高齢者

認知症よ止まれ!:コロナ緊急事態宣言下で高齢者の認知症は悪化したと専門医47%が回答

投稿日:2020年8月24日 更新日:

認知症悪化47%!!

『コロナウィルスに関しての緊急事態宣言がだされてから2か月で、認知症の人の認知機能が悪化した。』

毎日新聞のアンケートに対し、47%の専門医がこう回答したそうです。(毎日新聞 2020年8月21日)

外出もできず、施設に居る人は家族の面会もなく、緊張も刺激もなくなった結果です。

 

一見すると、認知症が進むと外界に対し無反応で、わざわざ会いにいっても意味が無いように思えます。

でも、五感や脳は、ちゃんと刺激を受け取り、情報処理をしていたのですね。

 

このアンケート結果を裏付ける体験

この夏、私は身近な高齢者を2人、見送りました。

子供の時から可愛がってもらった二人です。

一人は、お隣のおばさん。

もう一人は、いとこです。

 

二人とも高齢ではありましたが、とてもしっかりぎりぎりまで一人暮らしをし、最終的に施設入りました。

すると、みるみる認知能力、身体機能が落ちて行きました。

 

高齢なので、いずれ劣化は仕方ないのですが、スピードが速まりました。

きっと、一人暮らしの緊張感がなくなり、自分で生活のリズムを取る必要もなくなり、気楽だけれど張り合いのない毎日になったのだと思います。

そして、夏、外出自粛がとけて家族が会いに行ったときは、無気力になり、見違えるほど弱っていたそうです。

2か月の間、誰も面会に行かれなかったのがかなりこたえたようです。

 

やがて酷暑の中で、家族に見守られながら亡くなりました。

最期が家族と一緒だったのはせめてもの救いです。

 

「いずれお別れなのだから、まあ、仕方ない」というのが家族の言葉でした。

賢明な終止符の打ち方で、日本人の美徳(?)ともいうべき大人の諦観です。

 

でも、この言葉は「人事を尽くして天命を待つ」時にふさわしいもので、簡単に使うと身も蓋もないというヤツです。

どうせ死ぬんだからまあいいや、って言ったら人生の一瞬一瞬がもったいなすぎ。

 

終わり良ければ総て良し

人生どんなに大変でも、すべてを〇にできるチャンスは最期に残されているんです。

最高の最期を迎えたいものではありませんか?

そのためには、どうしたらいいか、考えてみましょう。

 

この現実が示す問題点と改善

問題は二つあります。

1. コロナ対策の問題

2. 高齢者施設の問題

 

1. コロナ対策の問題点

経済的な問題点

精神的な問題点

高齢者や子供の扱いの問題点

 

ここに上げた三つの問題点は、一見バラバラに見えますが、根は一つです。

なぜなら、経済状況と社会人の精神状況は表裏一体で生活の基盤をなしています。

そして、そこに問題があれば、弱者に結果のしわ寄せが来るからです。

弱者とは、自分の生活を自力で維持することができない者、代表的なのは子供と高齢者を含む機能不全を抱える人です。

 

どうしたらいいのでしょうか?

これを考えるときには、逆流の思考を取らなければなりません。

 

弱者に表れたしわ寄せを改善するにはどうしたらいいか。

↓そのためには

保護者や介護者に解決力をつける

↓ そのためには

保護者や介護者の問題を解決する

↓ そのためには

保護者や介護者の経済的問題を解決する。

これは、ある程度は保護者や介護者の努力、工夫の余地はあるものの、絶対時間と能力の限界は超えられません。

このあたりで、精神的な問題にテーマが広がっていきます。

↓ 従って

社会、政治が機能的になる必要がある。

現在、上手く機能していないのだから

社会、政治の考え方、価値観を改善する

 

ということになって、経済的困窮、離婚の増加、子供の虐待の増加などは、社会、政治の価値観の結果だということになります。

コロナ対策に関しての社会的、政治的価値観を変えなければ解決しないということがはっきりしました。

 

さてここで、社会、政治の価値感はどうやって生まれているかと言うと、現状の認識目標(理想)の設定から導き出されています。

従って、見直すべきなのは、コロナウィルスの認識と、社会の目標としての生活要素の優先順位の二つです。

 

現在の緊急事態をもたらしている決定的要因は、コロナウィルスの認識です。

初めての体験なので、理解も予測も出来ず、正しい情報はありません。

正しいと決める基準がまだ何もないからです。

 

それに輪をかけて、みんなが責任逃れを前提に情報操作をやるので、声が大きな意見ばかりが正論のように聞こえてしまいます。

そして、声高に言う人は、社会目標の優先順位を自分が得をするような視点で選んでいます。

 

ここで恐ろしいのは、私たちには、専門じゃないからと自分では何も考えずに、声高意見をうのみにして拡声器の役目を果たしてしまうことがよくあるということです。

 

この辺で、私たちも、自分でしっかり考え、情報をより分ける必要があります

便利なネットを賢く使って、いろんな立場の意見や情報から、自分の考えで取捨選択しなければなりません。

「自分の考える正しい優先順位」に照らし合わせて。

 

そして、それに基づいて行動する。

これが、一般市民のできること、やるべきことではないでしょうか。

 

参考:広い視野で冷静にコロナを考えている人

 

2 高齢者施設の問題

先に紹介したイトコは、施設に入って1年半で、88才で旅立ちました。

お隣のおばさんは、施設に入って3年目に100才で亡くなりました。

 

二人とも、コロナの影響で孤独な二か月を過ごしています。

ある意味、精神的ネグレクト(放置)被害者です。

 

コロナの自粛政策の影響とはいえ、実はここには、もともと高齢者施設が抱える問題が作用しています。

その問題は、コロナ以前に亡くなった義母にも影響していたと思います。

 

それはズバリ、入居者の社会生活からの隔離という姿勢です。

人間として生命維持に必要な日常の世話限定の収容施設です。

 

入所まえから認知症気味だったイトコは、入所と同時に、どんどん悪化し、亡くなるのも速かったのです。

入所は子供たちが心配して先回りして決めたことで、本人は一人でちゃんと暮らせていたし、私も近くで常に交流していました。

 

himawariinさんによる写真ACからの写真

それが、入所するや、食と住以外の世話はなく、社会との交流もなく、毎日が個室に隔離状態です。

 

さらに、どんどん悪化した原因の一つは、夜、起きないよう睡眠薬を飲まされたことです。

入所1か月後くらいに会った時は、あまり変化は見られませんでしたが、3か月後、半年後と会うたびにどんどん認知力が低下、1年後には、「昼間も頭がボーっとして、まっすぐ歩けない」と自分で言っていました。

イトコの子供から、睡眠薬を止めるか減らしてもらいたいと職員に言ったところ、先生に相談しますという返事で終わったそうです。

自宅に引き取れない立場ではそれ以上言えないということでした。

 

そして、コロナのみならず、インフルエンザの流行期にも長く面会は禁止されていました。

これは、義母もお隣のおばさんも同じです。

義母は最後の最後まで、記憶も反応も衰えませんでしたが、お隣のおばさんには記憶違い、認識違いが起きていました。

 

刺激は脳にとって最も重要な活性剤です。

どんなに質の良い脳でも、刺激がなければ発達しません!!

まして、放っておけば劣化する一方の高齢者の脳にとって、刺激こそが周囲が与えられる最後の活力です。

これを早々と取り上げるのは、残酷です。

 

日本人の長寿化、日本社会の高齢化が思った以上にスピーディーで、対応が追いつかないということもあります。

その結果、介護の現場の過重労働もあります。

しかし、コロナ対策の問題と同じように、優先順位の誤り、価値観のズレが根本にあると思います。

 

思い切って言うなら、社会の生産性に貢献しない人を役立たずと言って切り捨てる発想が、見え隠れしている気がします。

愚かなことです。

なぜなら、その発想は自分の身に降りかかるということに気づいていないようだから・・・

 

私たち全員が、遅かれ早かれ身に降りかかる問題として、しっかり情報を選び、自分の優先順位に従って行動するべき課題です。

多くの、長い時間の行動の積み重ねが社会を変える原動力なので、自分を過小評価しないで頑張りましょう!!

 

 

 

 

 

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