子供と同居したいですか?
夫や妻を亡くし、一人になったら、どうしますか。
私は知っています。
親子が同居して幸せになった例より、不幸になった例を。
私の周囲には、子供たちの同居の誘いを断って一人暮らしを選ぶ高齢者が圧倒的に多いようです。
理由は、自由に暮らしたい、子供のお荷物になりたくない、からです。
昔は同居が当然だった
私の子供のころは、縦3世代の家族構成もよくありました。
「よくあった」という程度なのは、私の育ったところが都会で会社勤めの家庭が集まる地域だったからだと思います。
こんな地域でも、お店屋さんとか、数少ない農家ではおじいちゃん・おばあちゃんが居るのが当たり前でした。
サラリーマン家庭でも同居も多かったです。
生業が家族構成を決める
生業(なりわい、すぎわい、せいぎょう)、つまり生きるための仕事が家族構成を決めているようです。
☆昔は
家業というのがあって、家と職場が同じ場合は、一家総出で働きました。
そうでない家庭でも、生活費を稼ぐ人を中心に、全員で一つの家庭生活の歯車を回していました。
あー、本来、労働というものは、
あー、産業革命以前はだな・・・
センセ、ごめんなさい、ちょっと道、あけてくださいな。
孫、お迎えに行って、みんなの夕飯作らないと、
アタシの生きがいなのよ。
というように、家族の協力と分担で生活のリズムができていました。
喜びも苦しみも、快調も不調も家族の共有物でした。
☆ところが、今は
親の資産を受け継いで仕事をしている人はごくわずか。
親子はもちろんのこと、仕事は夫婦でも別々、個人のものです。
その結果、親子も夫婦も、別々に自分のお金を持ちます。
仕事も収入も、消費も個人的になりました。
経済的な余裕があれば、保育や育児も、子供の教育も、みんな社会の仕組みを利用すればいいのです。
日々の家事も、便利な物がいっぱいあります。
生活の営みが、家族内での分担から、社会全体での分担に変わってきました。
極端な言い方をすると、家庭とか、家族とかが、経済生活の基盤ではなくなったのです。
今は同居の必要がない
生活の中で共有したり分担したりするものが無い親子が、ムリして同居する必要はありません。
良し悪しの問題ではありません。
お互いに必要ないのが現実です。
それならば、お互いが、自分のわがままが効くテリトリーを確保し、
適当な距離で尊重しあえる生き方は理想的です。
一人暮らしのデメリットと対処
一人暮らしは、誰にも気兼ねしたり、遠慮したりすることなく、100%自由に生活できる理想郷と言えます。
でも、自由には責任がつきもの。
しっかり責任が担える間はいいですが、いずれ限界はきます。
高齢者の一人暮らしのデメリット
たった一つのデメリットは、一人暮らしが無理という判断が手遅れになりがちだという点です。
例えば
★認知症や急な病気、本人はなかなか気づかなかったり、倒れてからでは連絡もとれなかったりします。
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実際、私の隣人に起きたことです。
前日の夕方、お隣のおばさんが家の中で倒れ、起き上がれないまま一晩すぎました。
息子さんは、毎日電話をかけて無事を確認していたのですが、朝の電話に返事がなかったので、駆け付け大事には至りませんでした。
車で2時間ほどで来られる距離だったのでよかったですが、これがもっと遠く、外国だったりしたらどうなったでしょう。
私も時々は声をかけていたのですが、そんな異変には気づきませんでした。
私の妹も、高齢ではありませんでしたが、急に具合が悪くなって、お布団の中で亡くなっていたのを後で発見したのです。
★ガス、水道、電気、万が一の危険が一杯あります。
昨日まで大丈夫だったから安心、ということはないのです。
★今は、詐欺とかもあります。
★自然災害だっていつ起きるか。
数え上げていくとキリがありません。
子供のお留守番と同じだけ心配の数があります。
一人暮らしでも、仕事とか学校とか、外の世界に居場所のある人なら発見もはやいですが、高齢者の場合は気づかれることがありません。
これは、本人だけではなく、離れて暮らす子供にとっても不安なことです。
対処法
この不安を少なくするためには、子供の方から気をつけてもらう必要があります。
☆毎日電話をかける。
☆定期的に訪問する。
☆近所の人にも気にかけてもらうよう頼む。
☆定期的に訪問してくれる人を頼む。
郵便局にも、一人暮らしの高齢者訪問サービスがあります。
ネットを利用した24時間見守りサービスもあります。
こういうのを上手に利用して、「毎日が人生最初で最後の日」の覚悟で、楽しい時間を過ごしましょう!!